例会報告


情報産業エルム会 7月例会の報告



7月例会を7月22日(火) 午後6:30より「大井町きゅりあん」にて開催(出席者20名)
 < 例 会 内 容 >

研修会   講師 村上 仁己 氏
      (S49工電子博・応用電気研究所ME部門)
        KDDI 執行役員 技術開発本部長

 「KDDは装置産業と思った。 就職したらゆったり仕事できると思ったらそうじゃなくなった。」と話される村上氏はユビキタスの最先端を行くKDDI技術開発本部長を務めておられます。「逓信野球大会"は40才以上の管理職で行われていましたが3回優勝している」というスポーツマンの一面も持たれています。 ちなみに「NTTとNHKは六大学で活躍した選手とかノンプロの選手で、すごく上手いのがいた」そうです。
講演される村上氏 


1. 研修会講演テーマ  「最近の情報通信の話題」

  − ピッチ、ケータイからどこでもドア(ユビキタス)へ −


   @ 情報通信の変遷
     ・テレックスは1980年代に5年間のピークで終わった。 携帯は今音声に関して飽和しつつある。
      止めない方法を探している → 画像が送れる事は止めない手段となるか?
     ・トラフィック動向:加入電話・ISDNは2001年度にはじめて対前年比減少した。
      固定系回線利用のインターネット接続は契約数は2002年9月末時点で2,760万件で52.5%増加した。
   A インターネットの進展
     ・日本はADSL普及で圧倒的世界一
          → 孫(Sバンク)さんは最高の功労者。 2003年には20Mbps以上のサービスが出てくる。
   B ケータイの進展(財布、通信と放送の融合)
     ・インターネットアクセス可能な携帯加入者数は2003年5月末現在で6,378万加入。
     ・我が国の携帯電話の発展
      第2世代から第3世代に。 通信速度は10年間で100倍(2.4kb/sから384kb/s)に。
      カメラやGPS付きケータイが人気商品に。 カラー液晶、着メロ、着せ替えなどファッション化
                今 後 ↓
          "人と人"の通信から"人とモノ"、"モノとモノ"の通信へ
      < Ezムービーは我々が予想したようにはわれていない。VTRも出た当時は車と同じ価格で3年間
        全く売れなかった → LOVEホテル設置がきっかけで売れるようになった>
     ・量的成長から質的成長時代に
      リモコン・リモート監視・位置情報の活用など ユビキタス環境のコアに
      財布、定期などモバイルコマースや身分証明などに。
      <スイカカードと同じ技術を携帯はすでに持っている-10cm離れたところから0.1秒以内に課金する機能>
     ・通信と放送の連携サービス
      コンテンツ例:タータイでテレビ放送を行う、地震の際など自動的にスィッチが入り緊急放送を行う・・など。
   C 新しい潮流
     ・アドレスの不足(最大43億個)はIPv6(3.4x10の36乗個)
     ・ブロードバンドアクセス料金は日本は外国よりはるかに安い(2003年時点)
     ・ユビキタス:「どこにでも存在する」ネットワーク
      ケータイはユビキタス時代のパーソナルゲートウェイに。
   D解決すべき問題点
     ・ケータイの今後の課題
       さらなる大容量化:144/384kbpsから50Mbpsへ、伝送コストの提言:0.27円/パケット(AU)から1/10以下へ
       定額制の導入と周波数不足 ← 定額制はムリ(?!) ← ・・・ 定額制が出来るような技術開発が必要。
     ・ブロードバンドの今後の課題
       VoIPの普及 − 119、110などで、どこから来た電話か分からない。
     ・米国支配のインターネットからの脱却
       2〜3年前まで:ソフト・プロバイダ・サーバ・ルータの世界シェア80%、IPアドレスもはアメリカが大量に獲得していた。
      今後:IPv6によるアドレス確保。  Peer to Peer通信でサーバを介さない。
       アメリカを経由しないルーティング。 TRON(日本)、LinuxなどマイクロソフトOSからの脱却など。
   E日本が進むべき方向
     IPネットワークなど日本がかなり進んでいる分野がある
     IT関連は米国優位をかなり日本は盛り返してきた。
     <株を買うなら情報通信?! ← ケータイ会社は今後2年間は右上がり?!>
2. 入会、初参加された方々の自己紹介
    ・財津 靖史氏  富士電機(株)   技術開発本部長 執行役員(S53工院)
    ・冨士原 寿治氏 興銀リース(株)  主任(H4理)
    ・上野 聡氏   札幌市 連絡担当係長(S59工)
3. 新製品紹介ほか
    ・興銀リース(株)  冨士原 寿治氏(H4理)
     ◇新しいリース商品 − ソフトウェア製品の開発・販売に向けたスキーム商品など
    ・気象情報システム(株)氏 (S49水産)
     ◇食品・バイオ産業エルム会 − 食品・バイオ分野の研究発表・交流の場
4. 北海道・札幌市からの参加
    ・北海道東京事務所 柴森氏 高木氏 −
    ・札幌市東京事務所 上野氏 津元氏 −有楽町に多目的スペースを開設
5. 情報交流会
    ・ビールなどを飲みながらの名刺交換、情報交換でなごやかに懇談。