例会報告


情報産業エルム会 5月例会の報告

5月18日(火)午後6:30より「大井町きゅりあん」にて開催されました。(出席者33名)
 <例 会 内 容>

 1.研修会   公演テーマ「改正下請法でソフト会社が留意すべきポイント」
                  − 下請法平成15年改正の概要について −

      講師 弁護士 佐長(さいき)功 氏 (S61法)  阿部・井窪・片山法律事務所パートナー

 佐長(さいき)氏は弁護士約30名、弁理士約8名を含め約80名のスタッフが居られる法律事務所の パートナーを務められ、知的財産権、倒産、クレジットカード取引、証券取引、会社法務等の分野 を中心とする企業法務を主たる業務分野としておられます。「下請法」は小六法などには出ていません。 正しくは「下請代金支払遅延等防止法」と言い独占禁止法の次の次に出てくる法律です。 今回は平成15年改正の要点について分かり易くご説明頂きました。
@下請法の目的
下請法は独占禁止法の特別法で不公正な取引方法を禁止することを目的とするもの。優先的な 地位を濫用する行為はこの不公正な取引方法の一類型であり、これを禁止する事により健全な下 請企業が増えれば経済の発展につながるだろうとの目的で作られた。

講演される佐長氏 
A平成15年改正の概要
 ・対象となる下請取引の追加
1)情報成果物の作成に係る下請取引
2)役務の提供に係る下請取引
 ・書面の交付時期に係る規定の整備:
交付する書面に関し、正当な理由で記載内容が定まらない時は記載不要。 記載内容が定められた後、直ちに記載書面を交付。
 ・情報成果物とは
1)プログラム 2)映画・放送番組 3)文字、図形等の組合せ
Webコンテンツは2)または3)に入る
 ・親事業者の義務
1)書面交付2)支払期日3)遅延利息4)書類の作成・保存義務
支払期日は検査をするしないを問わず受領日から60日以内に決めなければ ならない。「一定水準を満たしている事を確認した時点で受領」の取決めが ある場合、「検収」には至らないが実用されていれば「受領」と扱う。
−ガイドライン第4−2(2))
 ・親事業者の禁止行為
    ○1項関係
1)受領拒否 2)支払遅延(「給付を受領した日」から算定を始める。検収は考慮しない。)
3)減額4)返品5)買いたたき6)強制的購入・強制的利用7)報復借置
    ○2項関係
1)割引困難な手形(120日以上)の交付2)不当な経済上の利益の提供要請3)不当なやり直し
    ○プログラムの手直し指示の許容範囲
1)書面に明示された委託内容と異なる場合 2)瑕疵がある場合 3)書面記載が不可能な 場合のやり直しで、一方的に負担割合を下請事業者に決定し、不利益を与える場合は 「不当なやりなおし」等にあたる。

Bソフト会社が留意すべきポイント
  1)契約書の見直し
・委託内容の明確化、および明確化できない場合の対応
・委託内容が定まった場合の書面交付
・メール等による書面交付
  2)検収・テストへの対応
・「受領」したと言われないための対応
  3)代金支払時期・方法の適正化
  質疑応答
下請法は罰金最高額が50万円では安過ぎ、処罰したことにならないのではないか?
回答:罰金額は他の法律の罰金とのバランスに拠って決められていて、1つの罰金を見直すには全体の法律の罰金を 見直す必要がある。処罰をうける企業は会社名が公示される。このことで社会的な制裁も受け るので刑事罰を受けること自体が重く受けとめられる。

 2. 定時総会

定時総会での本間氏 


本間信生副代表幹事から下記内容の報告などを行いました。
・15年度活動報告
1)年間5回の例会を行った。9月の札幌例会は学内ツアー、ビール園、ゴルフコンペなど満載だった。
2)S60年代以降の若手会員の入会もあり、会員数126名に増えた。
・会計報告:平成15年度収支報告、監査の承認を得ました。
・平成16年度活動計画案の発表
1)5・8・12・2月の4回の開催、12月10・11日はIBM天城の予定
2)講演の充実、外部講師は会員の方に紹介してもらう
3)北海道の産業との連携を図る
4)ホームページのリニューアルを検討。 意見をもらいたい。

 3.新入会員の自己紹介
   ・オリジン電気 取締役本部長 佐藤登氏 (S48経工) <http://www.origin.jp>
   ・住友商事 通信・産業プロジェクト第一部長 加藤敏幸氏(S52経) <http://www.sumitomocorp.co.jp/>
   ・日本電気 資材部主任 森山昇氏(H1経)
佐藤氏 加藤氏 森山氏

 4.新製品情報提供
   ・イスラエル製品 盗聴防止  <http://www.jade-ltd.jp/product/snapfone.html>
    ジェイド 代表取締役 内田 壮氏 (H3法)
   ・「0033モバイル」サービス開始  <http://www.ntt.com
    NTTコミュニケーションズ サービスクリエーション部長 小野 喜世彦氏(S49工)
イスラエル製で・・と内田氏 ”0033”を・・と小野氏

 5.情報交流会

   ・ビールなどを飲みながらの名刺交換、情報交換でなごやかに懇談。(写真)